モラル・ハラスメントセミナー

9月13日の夜に「モラル・ハラスメント講座-見えにくい心理的な嫌がらせにきづく-」が新大阪近くの会場で開催されました。平日の夜、しかも雨の中を30人近くの方が参加。モラル・ハラスメント被害の深刻さを改めて感じました。
講師は「大阪心のサポートセンター」の心理カウンセラー・田中妙子さん。主に夫婦間での、でも時折職場での事例も含みながらのモラルハラスメントの実態と、被害から身を守る方法についてのお話でした。
夫にお茶を入れると「こんな熱いお茶、飲めるか!」と言われ、翌日冷たいお茶を出すと「こんな冷たいお茶、飲めるか!」と言われる。どのようなお茶が良いかと尋ねると「そんな事もわからないのか!ダメな奴だ!」と罵られる・・・まさにダブルバインド(二重規範)の実例が詳しく話されました。
職場でもよく似たことが起こります。わからない事を上司に尋ねると「そんな事は自分で考えろ!」と言われ、自分で考えて仕事をすると、「勝手な事をするな!」と怒鳴られる・・・何をしても、どちらの方法をとっても、怒鳴られ、罵られ、そして被害者はどんどん自信を失い、自分自身を否定をするようになってしまいます。まさに、職権を濫用したハラスメント「パワー・ハラスメント」といえます。
さらに加害者は、被害者自身に能力がない、自分こそが被害者である、と周囲の人をも操作して、被害者を孤立させ、精神的に追い詰めていきます。まさに狡猾と言わざるを得ないような手法です。
殴られたり、蹴られたりといった身体的暴力を受けたわけではないのですが、精神的にどんどん追い詰められる、まさに人権侵害が起こります。
では、どうしたら被害から身を守ることができるのでしょうか。
それは、「自己尊重感情をとりもどすこと」と田中妙子さん。「相手の怒りを全て自分が引き受けずに、自分の身を守るためにエネルギーを使う」「あるがままの自分を受け入れ、自尊感情を高めることが大切」とのメッセージを伝えてくださいました。