映画 「もういいかい~ハンセン病と三つの法律~」

120303blog
「そこは療養所ではなく、収容所のようだった」
映画の冒頭で語る宇佐美治さんの言葉に、私は大きなショックを受けました。
宇佐美さんは、国立のハンセン病療養所である長島愛生園の入所者です。

実は、この映画の製作中に高橋一郎監督から、ハンセン病問題を「ハラスメント」ととらえることができるのではないだろうか、という質問を受けていました。
3年の歳月をかけてこのほど完成との連絡を受けて、先日開催された試写会に行きました。

映画は、三つの法律のもとで国が何を行ってきたのかを、多くの人たちの証言を基に検証しています。
国によるハンセン病患者に対する「絶対隔離、絶滅政策」のもとで、断種、堕胎、過酷な労働、懲戒検束など想像を絶することが、療養所内で平然と行われていたことに、大きな衝撃を受けました。
これこそ、国策のもとに行われてきた「国によるハラスメント」ともいえるでしょう。

特に女性たちの証言には、ショックと共に強い怒りを感じました。
療養所に入所するときには、他の大勢の男性入所者の目の前で、素っ裸で消毒をされるのです。
そして、療養所内で結婚をすれば、しきりも何もない12畳の部屋で、夫婦4組が共に暮らす異様な生活。
妊娠をしたら、強制堕胎、子どもが産まれたら、嬰児殺し。
そこでは、女性たちの意思も人権も全てが奪いとられているのです。
まさに女性に対する暴力です。

映画の中で語られる事は、ほとんどが知らないことばかりでした。
決して過去の物語りでもなく、知らなかった、で済まされる問題ではないと思いました。

ハンセン病に対する「偏見と差別」をもたらしたのは一体誰だったのでしょうか。
国なのか、国の情報を鵜呑みにした人たちだったのか、真実を知ろうとしなかった私たちなのか、をしっかりと考えなければならないと思いました。

映画の中で語られる「もういいかい」の言葉が、胸に鋭く突き刺さりました。
この映画をぜひご覧ください。
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「もういいかい」の公式チラシ
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<完成披露特別上映会>
【兵庫県立美術館 ミュージアムホール】
3月24日(土) ①10:30 ②14:00
3月25日(日) ①14:00
連絡先 078-331-6100:「もういいかい」映画製作委員会(兵庫県映画センター内)
チラシはこちら「120324-mouiikai-joueikai.pdf」をダウンロード

【(兵庫県)尼崎市女性センター・トレピエ】
4月21日(土) ①10:30 ②14:00  
連絡先 078-331-6100:「もういいかい」映画製作委員会(兵庫県映画センター内)
チラシはこちら「120421-mouiikai-joueikai.pdf」をダウンロード

【(兵庫県)尼崎労働福祉会館 中ホール】
4月22日(日) ①10:30 ②14:00  
連絡先 078-331-6100:「もういいかい」映画製作委員会(兵庫県映画センター内)
チラシはこちら「120422-mouiikai-joueikai.pdf」をダウンロード

【大阪市立阿倍野区民センター 大ホール】
5月20日(日) ①14:00(一回上映)
連絡先 06-6719-2233:大阪映画センター
チラシはこちら「120520-mouiikai-joueikai.pdf」をダウンロード

参加費:いずれも1,000円(中学生以上)
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