妊娠による降格は、原則均等法違反出産後も働き続けられる「職場環境整備」が必要

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最高裁は10月23日に「妊娠・出産を理由にした降格は、原則として男女雇用機会均等法が禁じる不利益処分にあたり違法」とする判断を初めて示しました。一部例外が認められる部分を残したものの、納得できる判決だとは思います。
しかし、現実はどうでしょうか。連合の調査によると、会社から退職を強要される、上司や同僚から嫌がらせを受けるなどの「マタハラ(マタニティ・ハラスメント)」を受けたことがある女性は、26.3%と4人に1人。全国の労働局に寄せられたマタハラの相談も2013年度は3,371件と前年度より2割増えています。いずれも氷山の一角でしかありません。8割の女性が育児休業を取得していると発表されていますが、実際には妊娠をきっかけに6割の女性が退職をしています。

「出産・育児をしながら働き続ける」という多くの先進国では当たり前のことが、できない状況がずっと続いてきました。

企業は、今回の最高裁の判決を重く受け止めることが大事だと思います。妊娠・出産後も働き続けることを望む女性は今後益々増えていくでしょう。そのためには職場の理解や協力は不可欠ですが、一方で周囲の一部の人に過重な負担がかからないようにすることも大切です。個人の意識だけによるのではなく、女性たちがしっかりと活躍できるように組織として「職場環境」を工夫し整えていくことが、必要ではないでしょうか。