「『働き方改革』で過労死はなくなるか」
働き方改革関連法案 強行採決

5月26日(土)に神戸市内で「過労死問題 取材の現場から」とのテーマで、「『働き方改革』で過労死はなくなるか」の著者・中部剛氏の講演がありました。(ひょうご労働安全衛生センター主催)

中部さんは多くの過労死家族の方たちを取材してこられました。なぜ家族は、多大な時間と労力を要する労災申請をするのか、そして労災が認められなかったら、国(労基署)に対して裁判までするのか。そこで一様に語られるのが、亡くなった家族は、仕事で、過労で亡くなったのだということの名誉の回復、そして、「二度とこのような悲劇を起こしてほしくない」との思いからだと言います。その思いをしっかりと受け止め、働き方改革関連法案について考えなければならない、との話に多くの参加者がうなずきながら熱心に聴いておられました。

5月27日(日)の深夜には、「MBSドキュメンタリー映像’18」で「職場で死なせない ~過労死家族の終わらぬ闘い~」が放送されました。過労死家族の方たちからは、「高度プロフェッショナル制度」「残業の上限時間」に対する疑問と強い憤りが語られました。

5月25日(金)には、過労死家族の会の方たちはじめ多くの傍聴者の前で、そして野党が採決反対を訴える中「働き方改革関連法案」が衆議院厚生労働委員会で強行採決されました。

国は2014年に過労死防止対策推進法を制定し、その後毎年11月には全国でシンポジウムを開催しています。法律には、過労死防止は国の責務であると明記されています。「過労死をなくしましょう」と国民に対して一方ではいい顔をしながら、方や一方では過労死を助長する法律を成立させようとすることに怒りを禁じ得ません。

これで「労働者の命と健康を守る」と本当に言えるのでしょうか。「高プロ制度」の削除と「残業の上限時間」の見直しを絶対にしなければならないと思います。

★ブックレット「『働き方改革』で過労死はなくなるか~労働現場の取材から~」のチラシ並びに詳細はこちらをご覧ください。