なぜ、まだ、なくならない!
日本初のセクハラ裁判から30年

「セクハラ」(セクシュアルハラスメント)が流行語大賞を受賞したのは30年以上も前の1989年のこと。
しかし、残念な事に、セクハラは一向になくなりません。
懲戒処分や裁判の判決が連日のようにメディアで報道されています。
周囲の人やネットによる被害者へのセカンドハラスメント(二次被害)もとても酷く、より一層精神的苦痛に悩まされることも珍しくありません。

男性上司から執拗なセクハラを受け、会社に相談したものの適切な対応がなされず、なんと解雇させられてしまった福岡の晴野まゆみさんが裁判を起こしたのは1989年のことでした。
1992年4月に福岡地裁は、セクハラを認定して会社と男性上司に対して賠償命令を出したのでした。日本初のセクハラ裁判でした。

これは後の男女雇用機会均等法の改正につながる画期的な判決でした。

原告の晴野まゆみさんの講演が10月25日(火)18:30~20:30に大阪のエル・おおさか(大阪府立労働センター)606号室で行われます。

詳細は、エル・ライブラリーのブログをご覧ください。

違法時間外労働が3分の1の事業場に
11月には「過労死等防止対策推進シンポジウム」開催

全国の労働基準監督署が2021年度に実施した立ち入り調査の結果が8月に厚生労働省から公表されました。
なんと!
約3万2千カ所の事業所のうち、3分の1にあたる1万986カ所で違法時間外労働が見つかったとのこと。
しかも「過労死ライン」と言われている月100時間を超える事業所は264カ所もありました。

でも、これも氷山の一角でしかないのではないかと思います。
数字には表れない「サービス時間外労働」が隠されているのではないでしょうか。

そんな中、またもやNHKで40代の男性管理職が過労で亡くなりました。
NHKは、2013年に佐戸未和さん(当時31歳)が亡くなり、2014年に労災認定、これを受けてようやく2017年に公表しました。
その後、防止策を講じてはいたようですが、実効的なものにはなっていなかったようです。
またもや悲劇が繰り返されました。
本当に残念でなりません。

もっとしっかりとした検証と教訓が生かされる対策が必要だといえるでしょう。

今年の11月にも例年通り「過労死等防止対策推進シンポジウム」が全国で開催されます。
三木も石川会場(11/8)、岡山会場(11/11)、大阪会場(11/22)で基調講演を行います。
お近くの方はぜひご参加ください。

各会場のチラシ等は、アトリエエムのHPのセミナーのサイトをご覧ください。

「24000年の方舟」上映会
第47回 ゆかりんシネマ 今を語ろう

2022年7月24日のブログでご紹介した8月の「24000年の方舟」の上映会は急きょ延期となり、ご迷惑をおかけしました。

上映日は「10月22日(土)13:30」に決まりました。
この機会にぜひご覧ください。

2か月に1度、神戸兵庫区の「いちばぎゃらりぃ侑香(ゆか)」で開催してこられた「ゆかりんシネマ」。
ゆかりんシネマを企画して、自主製作の映画や巷では見られない貴重な映像を入手して上映をつづけてこられた映画プロデューサー・鵜久森典妙さんは残念なことに昨年11月に亡くなりました。
が、オーナーの玉川侑香さんが遺志を受け継いで上映会を継続していかれます。

第47回ゆかりんシネマ
「24000年の方舟」
ー核廃棄物の実態を捉えたドキュメンタリー映画ー

「トイレのないマンション」原子力発電所はよくこう呼ばれます。
おわかりでしょうか?この意味が。

原子力発電所は毎日電気を作りながら、一方で放射性廃棄物・死の灰を発生しつづけています。
半減期が24000年のプルトニウムを人類は処理できないまま今に至っています。
その総量は45トンにもなっています。
「トイレのないマンション」あなたはどう考えますか。

上映後、この映画の感想や今、感じていることなどを話し合ってみましょう。

ナレーター/大滝 秀治
製作/鵜久森 典妙
企画/保木 政男
撮影/山添 哲也
構成・監督/高橋 一郎
1986年/カラー33分

◆日時
2022年10月22日(土)13:30~(1回上映)
◆会場
いちばぎゃらりぃ侑香
兵庫県神戸市兵庫区神田町38-22
◆申込
・TEL 078-361-5055
・受付時間 11:00~17:00
・要電話予約(先着15人)
◆参加費
500円
◆アクセス
・三ノ宮駅より神戸市バス7系統乗車
・JR神戸駅より7、9、110系統乗車
・平野バス停下車(東へ100mのところ)
◆参考
次回11月19日(土)は「奇妙な出来事アトピー」(46分)を上映予定です。

*チラシはこちら>>>

77回目の終戦記念日
「戦争ができる国」になろうとしているのか

77回目の終戦記念日を迎えました。
多くのメディアは、第二次世界大戦の惨禍を振り返り、後世に伝えていくことの重要性を伝えています。

そんな中にあって、今また「戦争」に向けての準備が着々とすすんでいることへの疑問についてはあまり報じられていないのがとても残念であり、大きな危惧を覚えます。

「防衛費2%への倍増」「核兵器禁止条約への非批准」「非核三原則の見直し論」「平和憲法の改憲論」「特定秘密保護法」etc.etc.

私には、確実に、そしてしたたかに「防衛のために戦争ができる国」に向かっているとしか思えません。

伊丹万作監督の言葉を思い出します。
「多くの人が、今度の戦争でだまされていたという。
みながみな口を揃えてだまされていたという。(略)
自己の一切をゆだねるようになってしまっていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。(略)
「だまされていた」といって平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。
いや、現在でもすでに別のうそによってだまされ始めているにちがいないのである」
伊丹万作「戦争責任者の問題」
1946年8月『映画春秋』より

DVD「『どっこいショ』と時代を映る」がエル・ライブラリーのブログで紹介されました

三木啓子の2022年4月2日のブログでご紹介した「映画製作委員会」>
彼らを追悼したDVD「『どっこいショ』と時代を映(み)る」がエル・ライブラリーのブログで丁寧に紹介されました。

エル・おおさか(大阪府立労働センター)の4Fにある「エル・ライブラリー」(大阪産業労働資料館)
数少ない貴重な労働専門図書館で、市民ボランティアと寄付で運営をしています。
現在はコロナ禍で、来館は予約制となっているのが残念ですが、また自由に来館できる日がくるのを待っています。

エル・ライブラリー(館長・谷合 佳代子さん)のブログとメルマガ、TwitterでDVD「『どっこいショ』と時代を映(み)る」を丁寧にご紹介してくださいました。
ぜひ、リンクから原文をご覧ください。

1984年に神戸で生まれた「映画製作委員会」の歩みをまとめたドキュメンタリーを、本作の脚本・構成を担当された三木啓子さん(アトリエエム株式会社代表)から頂戴しました。

映画ファンを自認する谷合なのに、映画製作委員会のメンバーである鵜久森典妙、保木政男、高橋一郎という3人の名前を恥ずかしながら知りませんでした。
しかし、本作で次々と紹介されていく作品を見て、「あ、知ってる、知ってる」というものがいくつか。
特に「24000年の方舟」、「奇妙な出来事アトピー」は見覚えがありました。

ブログはこちら>>>

オンラインセミナー(Zoom Meeting)
アサーティブ・コミュニケーションとハラスメント相談対応

今年度の「アトリエエムのハラスメントセミナー」は、オンラインで開催します
ぜひお早目にお申し込みください!

相手の考えも尊重しつつ、自分の考えを主張する「アサーティブ・コミュニケーション」
このスキルを学んで部下の能力を引き出す指導法を身につけましょう。
さらに、ハラスメントの相談を受けたときの対応方法をロールプレイを交えて学びます。
防止対策についても詳しく解説します。

●日時:2022年10月21日(金)13:00~16:00
●定員:30人(先着順)企業、行政機関、教育機関、労働組合、個人の方等
●参加費:5,000円 (税、資料代含む)
●講師:三木 啓子(アトリエエム代表、産業カウンセラー)
企業、行政機関、教育機関、各種団体等でハラスメントセミナーや講演会を多数実施。
DVDや冊子も数多く製作。メディアでも広く紹介されている。

●プログラム
A アサーティブ・コミュニケーションでパワハラ防止
・指導のポイント
・アサーティブ・コミュニケーションの解説とロールプレイなど
B ハラスメント相談対応
・相談対応のポイント
・相談対応のロールプレイ
・行為者ヒアリングのポイント
・判例解説・防止対策
●オンラインセミナーのお願い
*Zoom Meetingのシステムを使って開催します。
事前にurlをメールでお送りします。
*当日のレジュメ、資料は事前に郵便でお送りします。
*ブレイクアウトシステム(グループ分け)を使って、ロールプレイを行う等、参加型のプログラムです。
(カメラ、マイクは必須です)
●主催:アトリエエム株式会社

※詳細、webからのお申し込みはこちら>>>
※チラシ(お申込書付き)はこちら>>>(PDF)

「24000年の方舟」上映会
第47回 ゆかりんシネマ 今を語ろう

諸事情により、8月11日(木・祝)の「24000年の方舟」の上映会は延期となりました。
上映日が決まりましたら、改めてご連絡いたします。
本当に申し訳ございません。

2か月に1度、神戸兵庫区の「いちばぎゃらりぃ侑香(ゆか)」で開催してこられた「ゆかりんシネマ」。
ゆかりんシネマを企画して、自主製作の映画や巷では見られない貴重な映像を入手して上映をつづけてこられた映画プロデューサー・鵜久森典妙さんは残念なことに昨年11月に亡くなりました。
が、オーナーの玉川侑香さんが遺志を受け継いで上映会を継続していかれます。

ぜひこの機会に映画をご覧ください。

第47回ゆかりんシネマ
「24000年の方舟」
ー核廃棄物の実態を捉えたドキュメンタリー映画ー

「トイレのないマンション」原子力発電所はよくこう呼ばれます。
おわかりでしょうか?この意味が。

原子力発電所は毎日電気を作りながら、一方で放射性廃棄物・死の灰を発生しつづけています。
半減期が24000年のプルトニウムを人類は処理できないまま今に至っています。
その総量は45トンにもなっています。
「トイレのないマンション」あなたはどう考えますか。

上映後、この映画の感想や今、感じていることなどを話し合ってみましょう。

ナレーター/大滝 秀治
製作/鵜久森 典妙
企画/保木 政男
撮影/山添 哲也
構成・監督/高橋 一郎
1986年/カラー33分

◆日時
2022年8月11日(木・祝)→ 延期になりました
①13:30~(1回上映)
◆会場
いちばぎゃらりぃ侑香
兵庫県神戸市兵庫区神田町38-22
◆申込
・TEL 078-361-5055
・受付時間 11:00~17:00
・要電話予約(先着15人)
◆参加費
500円
◆アクセス
・三ノ宮駅より神戸市バス7系統乗車
・JR神戸駅より7、9、110系統乗車
・平野バス停下車(東へ100mのところ)
◆参考
次回11月19日(土)は「奇妙な出来事アトピー」(46分)を上映予定です。

*チラシはこちら>>>

ジェンダーギャップ指数
116位 今年もG7で最下位

7月13日に「世界経済フォーラム」(WEF)から発表された「ジェンダーギャップ指数」。
日本は146か国中116位で、今回もG7で最下位。
東アジア太平洋地域19か国中でも最下位でした。

「女性活躍推進」の掛け声のもと、様々な施策がとられてはきましたが、実効性があったとはいえず、依然として男女格差が色濃く残っていることがはっきりとわかりました。

特に「政治分野」(139位)と「経済分野」(121位)で男女格差が大きく表れました。
「国会議員の女性割合」(133位)、「閣僚の女性割合」(120位)、「過去50年の女性首相」(78位)はとても低い水準です。

経済分野でも「管理職についている男女差」(130位)、「収入における男女格差」(100位)などが低くなっています。

日本が男女格差の解消に向けて、全く施策を講じていないとはいいません。
しかし、他の国々は、ジェンダー平等に向けた努力を加速していますが、その中で日本の取り組みは遅々として進まず、大きな遅れをとっている状況だといえるでしょう。

掛け声だけではなく、実効性のある施策を早急に進めていかなくてはならないと思います。

「渡る人ー星降る島からの報告ー」
ハンセン病問題をテーマに劇団名古屋が公演

先日、名古屋市に演劇の公演を観にいきました。
2時間30分という時間を全く感じさせない、とても素晴らしい内容でした。

「劇団名古屋」の創立65周年記念公演第一弾「渡る人ー星降る島からの報告ー」です。

ハンセン病の国立療養所「長島愛生園」をモデルに、そこで暮らす方達の群像劇です。
当然ながら、そこには私たちと同じように笑いあり、涙ありの悲喜こもごもの生活と人生があります。
でも、そこは病気を治すための「療養所」にも関わらず、患者作業があり、重病者のお世話があり、監房があり、断種・堕胎があり、改名をさせられ、解剖室があり、納骨堂まであるのです。

70年にわたる入所者の方たちの日々の生活と共に、国が犯した大きな人権侵害ー強制隔離政策や無らい県運動を入所者の目線から描いた物語りです。

「劇団名古屋」は、以前に「空白のカルテ」という医師 小笠原登を描いた演劇を公演していました。
それを知った映画製作委員会の高橋一郎監督と鵜久森典妙プロデューサーが映画「一人になる」の撮影をする時に、ぜひ協力・出演をしてほしいとお願いをしたのです。
「ハンセン病のことを正しく理解している人達にぜひ演じてほしい」と名古屋の喫茶店で劇団名古屋の代表・谷川伸彦さんにお願いした、ということを、谷川さんからお聞きしました。

劇団名古屋の皆さんには、高橋さん、鵜久森さんの追悼展やDVD「『どっこいショ』と時代を映(み)る」の製作にあたり、多くのご協力をいただきました。

「空白のカルテ」と「一人になる」で小笠原登役を演じた深山義夫さんは、2022年3月に残念ながらご病気のため逝去されました。

深山さん、鵜久森さん、高橋さんの3人は星降る空から、きっと感慨深げに公演を観ていたことでしょう。

「票ハラ」防止条例
福岡県で可決・成立

2022年6月22日に公示された参議院選挙。
今回は、181人の女性が立候補し、全候補者数(545人)に占める女性の割合が33.2%となり、過去最高を記録しました。

しかし、国が2020年に閣議決定した「男女共同参画基本計画」で設定した「2025年までに国政選挙の候補者に占める女性割合を35%」とする数値には届きませんでした。
しかも、政党によって大きなバラつきがあり、共産党は55・2%、立憲民主党は51・0%、社民党は41・7%に対して、自民党は23・2%、公明党は20・8%でした。

さらに、女性候補者を悩ませているのが(女性だけではありませんが)「票ハラ」とも呼ばれている有権者や他の議員からのハラスメントです。

国の調査によると、選挙への立候補を検討したが断念した994人(男性500人、女性494人)のうち、全体の61.8%が有権者や支持者、または議員から「何らかのハラスメントを受けた」と回答しています。
地方議員5,513人(男性3,234人、女性2,164人)を対象にした調査でも、全体の42.3%がハラスメントの被害があったと答えています。
男性(32.5%)よりも女性(57.6%)の方が比率が高く、女性が被害に遭いやすいのが実態です。

内閣府男女共同参画局は、「政治分野におけるハラスメント防止研修教材」(動画)を2022年4月にHPにアップして、実際の事例を交えて啓発を行っています。

また、福岡県では「議会関係ハラスメントを根絶するための条例」が6月21日に可決・成立しました。
来年2023年4月からの施行です。
被害を受けた時に、相談ができる窓口の設置や調査などが盛り込まれています。
窓口では、県議会議員だけでなく、その秘書や家族、それに、有権者からの「票ハラスメント」などを受けた候補者や、県内の市町村議会の議員からの相談にも応じるとなっています。
これは都道府県では初めての条例となりました。

福岡県の条例が実効あるものとなり、今後さらに多くの自治体が続くことを願っています。

もちろん、私達一人ひとりが「票ハラ」の行為者(加害者)とならないようにしなければならないのは言うまでもありません。