「モラル・ハラスメント」国際シンポジウムに参加して

「モラル・ハラスメント」(通称モラハラ)という言葉をご存知でしょうか。直訳すれば「精神的嫌がらせ」ということになります。家庭や学校、職場、その他色々な場所で起きる精神的虐待・精神的暴力のことです。

アトリエエムでは「パワー・ハラスメント」という言葉を使っていますが、モラル・ハラスメントもパワー・ハラスメントも、権力を背景にしたハラスメントということでは、同じような意味を持っています。

2月25日(土)の夜に

大阪市北区

で開催された、「マリー=フランス・イルゴイエンヌ氏来日国際シンポジウム」に出席しました。(主催は大阪過労死問題連絡会、共催はワーキング・ウィメンズ・ネットワークアカデミック・ハラスメントをなくすネットワーク)イルゴイエンヌさんはフランスの精神科医・家族心理療法家で、「モラル・ハラスメント」研究の第一人者でもあり、著書『モラル・ハラスメント 人を傷つけずにはいられない』『モラル・ハラスメントが人も会社もダメにする』はベスト・セラーになりました。

フランスでは、モラル・ハラスメントに対する法律が2002年に施行されています。その他の国でも法律ができている国が多くありますが、日本では、言葉すら社会にまだ広く認識されてはおらず、もちろん法律での規制もありません。

しかし、モラル・ハラスメント、パワー・ハラスメントは日常でも、非常に頻繁に起きており、訴訟に至るケースもあります。シンポジウムでも、勤務をしていた会社と上司に対して、モラル・ハラスメントを受けた人たちが集団訴訟を起こしているという原告からの報告もありました。

モラル・ハラスメント、パワー・ハラスメント、スピッティングなど言葉は少しずつ違いますが、全て権力を背景にした嫌がらせ、精神的暴力だといえるものです。

皆が正しい知識を持ち、ハラスメントに対して当事者もそして周囲の人もはっきりと「NO!」と言える社会を築いていくことが大切だと改めて強く感じました。