「セクハラサイコロ」

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埼玉県の男性小学校教諭が「キス」「ハグ」などと書いた「セクハラサイコロ」を作り、児童を指導するために罰ゲームのように使っていた、という事件が報道されました。本当に許せない行為ですが、さらに感じるのが、セクハラ問題に対する学校と社会の認識の軽さと誤りです。
セクハラは、相手の意に反する性的な言動で、大きな人権侵害です。「たかがセクハラ」と軽々しく対応するものでは決してありません。そして、相手がさほど不快には感じていなくても、人権を侵害するような性的な言動はセクハラなのです。
なぜなら、その言動を不快だと感じていても、止めてほしいと思っていても、その意思表示をするのが非常に難しい場合が多いからです。職場での上司からのセクハラもそうですが、小学校の児童にとって「学校の先生」は自分に対して絶大な力を持っている権力者です。その先生に対して、教室で大勢のクラスメイトの中で、一人で「やめてほしい」という声をあげることはとても難しいことです。
そしてもう一つ大切なこと。それは「イヤだと思う自分自身の気持ちを押し込めてしまう」こともある、ということです。「先生がすることだから正しいのだ、イヤだと思う自分が間違えている」と思いこんでしまうことも多いからです。
さらに、学校はこの先生の言動を前任校も含めて5年間にもわたって放置していたということ。これも大きな問題です
今、一番必要な事は、児童たちの心のケアです。
不快だ、という気持ちを押し込めている子ども、自分自身を責めている子ども、信じていた先生や校長先生が謝罪している姿を見てショックを受けている子ども、また、この出来事をどう受けとめていいのかわからない子どももいます。子どもたち一人ひとりに寄り添って、丁寧に気持ちを受け止めること。そして、子どもたちが安心して過ごせる環境を早急に整えることが、今、一番必要な事だと思います。

セクハラを起こさせないようにするのが大切なのは、言うまでもありませんが、起こった後どのように対応するのかも非常に重要な事です。
被害者への対応、行為者への対応、そして再発防止、などの観点から考えていく必要があります。
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