第5次男女共同参画計画

12月25日に閣議決定された「第5次男女共同参画計画」。
これは2021~2025年度までの5年間の女性政策をまとめたもので、日本の今後のあり方を左右する非常に大事なものです。
政治経済や地域、教育など11分野を中心に89項目で数値目標を策定しました。

「選択的夫婦別姓」制度については文言すらなくなってしまい、橋本聖子男女共同参画担当大臣は、「3歩進んで2歩下がった」と話していますが、完全な「後退」と言わざるを得ないでしょう。
2002年以来の激しい論争が自民党内でもありましたが、結局は「家族・社会の多様化」を認める結果とならなかったのは非常に残念です。

「指導的地位に占める女性の割合」を30%にする、という目標も大幅に後退しました。
とりわけ政治分野でのジェンダーギャップ指数は144位とお粗末な状況です。

どちらかの性別が4割を下回らないなどと決めておく「クオータ制」は今から50年も前、1970年代に北欧でスタートしました。
現在では130の国と地域で様々な形で導入されています。
日本の女性割合は、衆議員で1割、参議院は2割と世界最低レベルです。

国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標、Sustainable Development Goals)。
これには2030年にゴールを定めた17の大きな目標が定められていますが、5番目は「ジェンダー平等を実現しよう」です。

しっかりとした政策を定めて実現に向けた計画を立てなければ、日本は世界の潮流からも大きく取り残されていくのではないかと思います。