「渡る人ー星降る島からの報告ー」
ハンセン病問題をテーマに劇団名古屋が公演

先日、名古屋市に演劇の公演を観にいきました。
2時間30分という時間を全く感じさせない、とても素晴らしい内容でした。

「劇団名古屋」の創立65周年記念公演第一弾「渡る人ー星降る島からの報告ー」です。

ハンセン病の国立療養所「長島愛生園」をモデルに、そこで暮らす方達の群像劇です。
当然ながら、そこには私たちと同じように笑いあり、涙ありの悲喜こもごもの生活と人生があります。
でも、そこは病気を治すための「療養所」にも関わらず、患者作業があり、重病者のお世話があり、監房があり、断種・堕胎があり、改名をさせられ、解剖室があり、納骨堂まであるのです。

70年にわたる入所者の方たちの日々の生活と共に、国が犯した大きな人権侵害ー強制隔離政策や無らい県運動を入所者の目線から描いた物語りです。

「劇団名古屋」は、以前に「空白のカルテ」という医師 小笠原登を描いた演劇を公演していました。
それを知った映画製作委員会の高橋一郎監督と鵜久森典妙プロデューサーが映画「一人になる」の撮影をする時に、ぜひ協力・出演をしてほしいとお願いをしたのです。
「ハンセン病のことを正しく理解している人達にぜひ演じてほしい」と名古屋の喫茶店で劇団名古屋の代表・谷川伸彦さんにお願いした、ということを、谷川さんからお聞きしました。

劇団名古屋の皆さんには、高橋さん、鵜久森さんの追悼展やDVD「『どっこいショ』と時代を映(み)る」の製作にあたり、多くのご協力をいただきました。

「空白のカルテ」と「一人になる」で小笠原登役を演じた深山義夫さんは、2022年3月に残念ながらご病気のため逝去されました。

深山さん、鵜久森さん、高橋さんの3人は星降る空から、きっと感慨深げに公演を観ていたことでしょう。