「パワハラ」で教諭が自殺

「パワー・ハラスメントによる自殺」という何とも痛ましい事件が千葉市の中学校で起こりました。10月17日の朝日新聞の報道によると、被害者は千葉市立中学校の50代の男性教諭。彼は今年4月にこの学校に赴任、教務主任を務めていたそうです。が、校長から集中的に叱責を受け、繰り返し怒号を浴びせられるなどしていたといい、市教育委員会はパワー・ハラスメント(職権を背景とした嫌がらせ)に当たると判断、近く校長を処分する判断を固めた、というものです。
ハラスメントは日本語では「嫌がらせ」と訳されていますが、これは「精神的暴力」であり「人権侵害」だとしっかりと皆が認識する必要があります。
特に、このようなパワー・ハラスメントでは、周囲の人たちのパワー・ハラスメントに対する認識と当事者たちへの関わりが非常に重要です。被害者を孤立させない対応が周囲の人たちにも求められています。とはいうものの、絶対的な権力を持つ上司に対して加害行為を止めさせるのは非常に難しいものがあるのも事実です。
これ以上、被害者を出さないためにも、本当に当社の「パワー・ハラスメント予防セミナー」に一人でも多くの方に参加していただきたいと思います。
11月23日(木・祝)には大阪の天満橋駅近くの「エル・おおさか」で「パワー・ハラスメント予防セミナー」を実施します。詳しくは後日ホームページ等でお知らせいたします。

アトリエエムの1周年です

茨木法務局で会社設立の手続きをしたのは、昨年の10月5日。それから丁度1年。アトリエエムは1歳の誕生日を迎えました。この間、皆様には色々な形でサポート、アドバイスをいただき本当にありがとうございました。厚くお礼申しあげます。
最近は、大阪府内のみならず、兵庫県や長野県の会社や自治体からも、パワー・ハラスメントセミナーのお申込をいただくようになりました。
また、以前にパワー・ハラスメントセミナーをしたので、今度は、違うテーマでの社員研修をとのご依頼も受けるようになりました。当社のセミナーを高く評価していただき、本当にうれしい限りです。
今後も事業の幅を広げつつ、でも、着実に丁寧に一つひとつの事業、そして、クライアント様やサポートしてくださる方たちを大切にしながら、2年目を歩んでいきたいと思います。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
*2年目を迎えて、ブログのデザインを変えてみました。

「情報検索」と「ブログ」

9月30日のITセミナーのテーマは「生活に密着した情報検索」。インターネットで何か調べ物をしたいと思って、キーワードを入力して検索しても、何十万ものサイトにヒットして、自分が本当に探したいものになかなかたどりつけないといった経験をされた方も多いことでしょう。そこで、より早く、的確に検索できるノウハウを学びました。
同時に、それぞれの参加者の方の「今、私はこんな情報を探したい!」といったご要望にもお応えすることができました。少人数ならではのセミナーのメリットですね。リピータの方も多く、とってもうれしい思いでした。
次回のITセミナーは10月14日(土)「ブログと掲示板で情報発信」です。今は、とっても簡単にしかも無料で、ブログを作る事ができます。が一方で、著作権や肖像権の侵害やトラブルも数多く起こっています。
自分自身が楽しみながら、情報を発信していく手法を学びます。
皆様のご参加をお待ちしています。

詳細はITセミナーのページをご覧ください>>

職場のハラスメントを考える

「できることなら、裁判をしたくなかった、組織内できちんと対応してもらって、解決したかった。でも、ここでこのまま、自分が黙っていたら、今後もずっと被害が続くと思ったから、それを防ぎたかった」と、異句同音に話された3人。
これは、23日(土)の午後に天満橋の「エル・おおさか」で開催された「研究会職場の人権」の第84回月例研究会での言葉。
「職場のハラスメントを考える-声をあげるということ-」~モラハラ、セクハラ、アカハラのケースをめぐって~ と題したシンポジウムがありました。
パネリストは、それぞれの職場でハラスメントを受けて提訴をした、NAAHの御輿久美子さん、平山みどりさん、Aさん。切実な、でもとっても力強い3人からの報告でした。
なぜこんなひどい言動を受けなければならないのかと、にわかに信じがたいハラスメントを3人は受けてきました。そこには、女性や部下の人権を踏みにじっても、何とも感じない加害者たちの姿があります。
フィナーレは、「NPO法人こえとことばとこころの部屋」の詩人上田假奈代 さんが、平山みどりさんの話を聞いて作った詩を朗読されました。元気付けられる、とっても素敵な朗読でした。
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「(前略)和解勝利 2年間のピリオドは 理想のかたちではなかった
一ヵ月後の勝利報告会のときに 喜んでくれたみんなの顔をみて
やっと実感できた
なかなか声をあげることのできない女性たちの
少しでも励みになれることが
うれしかった(後略)」

モラル・ハラスメントセミナー

9月13日の夜に「モラル・ハラスメント講座-見えにくい心理的な嫌がらせにきづく-」が新大阪近くの会場で開催されました。平日の夜、しかも雨の中を30人近くの方が参加。モラル・ハラスメント被害の深刻さを改めて感じました。
講師は「大阪心のサポートセンター」の心理カウンセラー・田中妙子さん。主に夫婦間での、でも時折職場での事例も含みながらのモラルハラスメントの実態と、被害から身を守る方法についてのお話でした。
夫にお茶を入れると「こんな熱いお茶、飲めるか!」と言われ、翌日冷たいお茶を出すと「こんな冷たいお茶、飲めるか!」と言われる。どのようなお茶が良いかと尋ねると「そんな事もわからないのか!ダメな奴だ!」と罵られる・・・まさにダブルバインド(二重規範)の実例が詳しく話されました。
職場でもよく似たことが起こります。わからない事を上司に尋ねると「そんな事は自分で考えろ!」と言われ、自分で考えて仕事をすると、「勝手な事をするな!」と怒鳴られる・・・何をしても、どちらの方法をとっても、怒鳴られ、罵られ、そして被害者はどんどん自信を失い、自分自身を否定をするようになってしまいます。まさに、職権を濫用したハラスメント「パワー・ハラスメント」といえます。
さらに加害者は、被害者自身に能力がない、自分こそが被害者である、と周囲の人をも操作して、被害者を孤立させ、精神的に追い詰めていきます。まさに狡猾と言わざるを得ないような手法です。
殴られたり、蹴られたりといった身体的暴力を受けたわけではないのですが、精神的にどんどん追い詰められる、まさに人権侵害が起こります。
では、どうしたら被害から身を守ることができるのでしょうか。
それは、「自己尊重感情をとりもどすこと」と田中妙子さん。「相手の怒りを全て自分が引き受けずに、自分の身を守るためにエネルギーを使う」「あるがままの自分を受け入れ、自尊感情を高めることが大切」とのメッセージを伝えてくださいました。

子どもをサイバー犯罪から守るために

8月22日の朝日新聞で「小学生のブロガー増加」との記事が掲載されました。小学生・中学生の間でインターネットを使った情報の受発信が急増しています。そしてその陰でサイバー犯罪も4年間で2倍に増えているのが現状です。
例えば子どもが「ハサミ」を使い始める時。私たち大人はハサミの使い方を正しく教えると共に、その危険性もきちんと指導します。使い始めの頃は、子どものそばで見守ったりすることもあるでしょう。とても便利な道具でも、振り回したり、投げたりしてはとても危険だということ、人に渡すときには持ち手の方を相手に向けるなど周囲の人に対して気をつけること、もちろん、自分自身がケガをしないように気をつけることなどをきちんと指導します。
では、IT(パソコン)の使い方はどうでしょうか。「アダルトサイトは見たらダメ」「勝手に買い物しないでね」と言った、極簡単で、あいまいな言葉だけで使わせてしまっていないでしょうか。何が危険なサイトで、どうしたら回避できるのか、また自分のどのような言動が周囲の人を傷つけてしまうのか、といった具体的な事柄をきちんと子どもに指導することが大切です。もちろん、そのためには私たち大人が正しい知識を身につけることが必要です。
アトリエエムの9月16日のITセミナーのテーマは「子どもをサイバー犯罪から守るために」。マナーとルール、セキュリティ、そして、メディア・リテラシーについて学びます。ぜひご参加ください。また9月9日のITセミナー「インターネットの原理」では、「ウィニー」「フィッシング」などに対するセキュリティ対策がテーマです。こちらもお勧めのセミナーです。「ITセミナー」のページへ>>

モラル・ハラスメント

毎月発行の雑誌『論座』9月号(8月5日発売)に「モラル・ハラスメント」に関する記事が掲載されています。3月5日のブログでもご紹介した、フランスの精神科医・マリ=フランス・イルゴイエンヌさんの講演会の要旨です。彼女はモラル・ハラスメントの指標となる「敵意ある言動」を四つのカテゴリーに分類しています。
1)コミュニケーションを拒否して相手を孤立させ、「一人の人間を透明人間であるかのように感じさせるような言動」
2)仕事に必要な情報を与えない、コンピュータを使えなくするといった「仕事に関して相手を傷つける言動」
3)噂や中傷を流すといった「相手の尊厳を傷つける言動」
4)「言葉による暴力、肉体的な暴力、性的な暴力」
これらの行為が、「職場」という組織内で権力を持つ者(上司)から持たない者(部下)に対して起こった時、まさにそれが「パワー・ハラスメント」といわれるものにもなります。
現在、これらの言動に対する訴訟や労災申請が数多く行われていますが、必ずしも被害者の人権の視点立った判断が下されているとはいえないのが、悲しい現実です。
その事に関して同雑誌で弁護士の川人博さんは次のように述べています。
「日本では経営者だけでなく、厚生労働省や裁判所も、このハラスメントに対する理解がまだまだ不十分であると思う。その結果、多くの人が職場のハラスメントによって傷つき、健康を害し、死に至るケースも少なくない。イルゴイエンヌ氏の講演を学んで、ぜひ日本でも欧州やカナダのように、このハラスメントに対する立法的な規制を実現するような取り組みを強めていきたいと考えている。」
私も全く同感です。最終的には、ハラスメントに対する法制化が必要であると思いますし、同時に、まずは、ハラスメントを起こさないための「予防セミナー」に今後も取り組んでいきたいと思っています。

「従業員に暴言 社長にパワハラ認定」

「消費者金融会社「レタスカード」(京都市中京区)の従業員だった兵庫県西宮市の男性(45)が、社長にたばこの火を押しつけられるなどし、うつ病になったとして、同社に約6200万円の損害賠償を求めた民事訴訟の判決が8日、京都地裁であった。田中義則裁判官は「社長の言動は不法行為にあたる」として、訴えの一部を認め、同社に670万円の支払いを命じた。」という記事が、9日の京都新聞と毎日新聞で報じられました。
見出しには「従業員に暴言、たばこ押しつけ 京都地裁 社長のパワハラ認定」「社長パワハラ賠償命令 罵詈雑言、うつ病慢性化」との文章。社長から頻繁に暴言を受け、タバコの火まで押し付けられるという、なんともひどい人権侵害が起こっていたようです。
原告の弁護士は「(職場での上下関係を背景に上司が部下に嫌がらせする)パワーハラスメントを認めた例はまれで、その意味では評価できる」としている」とコメントしているものの、会社側は、そのようなハラスメント行為を否定、控訴するとのこと。今後の行方をしっかりとみていきたいと思います。

会社名が「アトリエエム株式会社」になりました。

アトリエエムは、「有限会社アトリエエム」から「アトリエエム株式会社」に商号変更いたしました。皆様に「秋のITセミナー」「パワー・ハラスメント予防セミナー」のチラシをご挨拶状とともにお送りしておりますので、ぜひご覧ください。当方の手違い等で、もしお手元に届いていない場合は、お手数をおかけしますが、その旨ご連絡いただけますでしょうか。すぐにお送りいたします。
 
定款の事業目的も若干増やしました。企業理念に沿ってより幅広く事業を展開していきたいと思います。皆様の変わらずのご支援、ご鞭撻の程何卒よろしくお願い申しあげます。
なお、住所、電話番号、url等は変更ありません。

基地問題と女性の人権

 アメリカ兵からレイプを受けたサバイバーのお話を大阪外国語大学で聴く機会がありました。これは「アジア現代女性史研究会(代表藤目ゆき)」や女性学との共催で、「基地問題と女性の人権-沖縄からの発言-」と題した公開講演会でした。学生以外にも門戸が開かれていたので、聴講させていただいたものです。
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 1984年、当時17歳だった富田由実(仮名)さんは、学校帰りにアメリカ兵から「I can kill you」とナイフをつきつけられ、公園で3人のアメリカ兵から屈辱的な暴行を受けました。「殺すぞ」ではなく「殺せるぞ」と彼らは言ったのです。ものすごい恐怖を受けて、解放された後も何度も彼女は自殺未遂を繰り返しました。不眠症や自立神経失調症に苦しみながら、でも警察に訴えることはしませんでした。訴えることにってさらに受ける二次被害と社会からの偏見を恐れたからです。暴行を受けたのは自分が悪かったのではないかと自分自身を責めたり、自暴自棄になったり、フラッシュバックに襲われたり、本土と沖縄を行ったり来たりと苦しい生活を続けていました。
ところが、1995年9月、またもや沖縄で小学生の少女への暴行事件が起こりました。富田さんはこの事件を知り、自分が被害を受けた時よりも嘆き悲しみ、苦しみました。そして今まで何も行動を起こしてこなかった自分自身を又もや責め続けました。そしてこれ以上、被害者を出さないためにと、反戦運動に関わるようになりました。
沖縄は「基地に対する被害者」という側面を持っているけれど、一方で、基地があるということで、アメリカが今まで起こしてきた戦争を担わされた加害者でもある。だからこそ、自分たちの責任を痛感し、反省の意味を込めて沖縄から自衛隊を含めた基地を無くして本当の「平和の発信地」にすることが大切だ、とのメッセージを私たちに届けてくれました。