「倚(よ)りかからず」茨木のり子さんの訃報を聞いて

20日(月)の朝、新聞を開いた私に訃報の記事が飛び込んできました。詩人茨木のり子さんが亡くなられたと。鋭い批評精神で、時代を歌いあげた茨木さん「わたしが一番きれいだったとき」「自分の感受性くらい」など有名な詩が数多くありますが、私が一番好きだった詩はなんといっても「倚(よ)りかからず」

日常の中で、ともすれば、他人に迎合してしまいそうになるとき、「寄らば大樹の陰」が無難な生き方だと妙に納得してしまいそうになるとき。でも、やっぱりそんな生き方は違うよなあ、したくないよなあ、と思いながら彼女の「倚(よ)りかからず」を読みかえします。

そこで、本当の自分の気持ち、思いをゆっくりと整理しなおし、そして納得がいったなら、長いものに巻かれるのではなく、自分自身の考えでしっかりと進んでいけばいいのだ、と何度も励まされ、そして示唆を受けた詩(うた)でもあるのです。

「倚(よ)りかからず」

もはや/できあいの思想には倚りかかりたくない/もはや/できあいの宗教には倚りかかりたくない/もはや/できあいの学問には倚りかかりたくない/もはや/いかなる権威にも倚りかかりたくない/ながく生きて/心底学んだのはそれぐらい/じぶんの耳目/じぶんの二本足のみで立っていて/なに不都合のことがある/倚りかかるとすれば/それは/椅子の背もたれだけ

「パワー・ハラスメントセミナー」好評です!

今年に入ってから、

10回ほど「職場におけるパワー・ハラスメントの防止セミナー」を実施してきました。参加者は、係長級や課長級の管理職の方たち。やはりというか、依然ほとんどが男性です。(ちなみに女性の管理職(本庁課長相当職以上)は、都道府県では6.6%、政令指定都市では4.8%-内閣府発表の「05年度 女性の政策・方針決定参画状況」による-。何と低い数字!もっともっと女性が増えてほしいですね)

セミナーでは、「パワー・ハラスメント」はまだ馴染みの少ない言葉ですが、自分たちの職場では決して起こさない、という管理職の方たちの意気込みが伝わってくるようで、熱心に聞き入ってくださいます。

前半は主にパワー・ハラスメントが起こる背景や現状、また起こったときの対応のポイント等をお話します。後半は、パワー・ハラスメントを起こさないための、職場での円滑なコミュニケーションについてお伝えしています。一言でコミュニケーションといっても、簡単そうで、なかなか難しいもの。加えて上司と部下に年代差があると、より一層難しくなるようです。

ロールプレイやチェックシートの記入なども随所に盛り込んでいますので、参加者の胸により強く響くようです。

皆さんの職場でも「パワー・ハラスメントセミナー」の研修をぜひ企画されてはいかがでしょうか。

映画『スタンドアップ』を観てきました

映画『スタンドアップ』を観てきました。

主演はシャーリーズ・セロン、そして監督は『クジラ島の少女』を創ったニキ・カーロ。

1989年、アメリカ・ミネソタ北部での実話に基づくもの。

暴力夫から逃れて二人の子どもを連れて故郷に戻ってきたジョージー(シャーリーズ・セロン)。しかし、子ども達を自分の力で育てようとするシングルマザーに、街の人たちは冷ややかな目を向ける。母親までもが、少し位の夫の暴力は我慢するべきだと諭し、炭鉱で働こうとすると、同じ職場で働く父親は大反対。

父の反対を押し切り、子どもたちとの生活を守るために炭鉱で働き始めたジョージー。しかし、男ばかりの炭鉱では、わずかな女性たちが執拗なまでのセクシュアル・ハラスメントの被害を受けていた。しかも女性たちは、生活のために仕事を辞めるわけにもいかず、抗議をすることもできず、嫌がらせに耐えている日々が続く。ジョージーは、上司や社長に窮状を訴えるが、全くとりあってもらえず、訴訟を起こす。人として当たり前の尊厳を取り戻すための訴訟だ。このひどい状況を変えるために立ち上がった彼女の勇気と行動力に、周囲の人たちも徐々に変わっていく・・・

本当にお勧めの映画です。ただ、上映期間が

2週間と短かったのが、とっても残念!

原案となったのは、『集団訴訟-セクハラと闘った女たち-』(クララ・ビンガム&ロラー・リーディー・ガンスラー著)