「4人に一人がパワハラを受けている」職場環境の改善を

120619blog
「心の病 労災申請 3年連続で最多」とメディアで報道されました。
6月15日に厚生労働省から発表された「平成23年度 脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」に関する記事です。
そこには、相変わらず長時間労働やハラスメントで苦しんでいる人たちの現状が見えてきます。

ここで、注目しなければならないのが、申請数と認定数の乖離です。
精神障害の労災補償については、申請数が1,272件、決定件数(労災に該当するかどうかを決定した件数)が1,074件、その内労災であると認定されたのが325件。
わずか30%にすぎないのです。

労災を申請するということは、ただハラスメントなどを受けたということだけでなく(もちろんそれだけでも苦しいことではありますが)うつ病などの精神疾患に罹患している、ということなのです。
その職場で働き続けることが難しく、休職や退職している人も大勢います。

今、どこの職場でも「メンタルヘルス対策」が、重要課題となっています。
職場復帰支援プログラムなどの整備ももちろん大切ですが、メンタルヘルス不調になる原因をまずは取り除いていくことが先決問題だと思うのです。

2012年5月に連合が実施した調査では、4人に一人が「パワハラを受けたことがある」と回答しています。(男女平等月間調査2012)
しかもその解決方法は、「誰にも相談しなかった(35%)」が一番多く、「その職場を退職した(28%)」と続きます。

まずは、ハラスメントのない職場環境、そして、ハラスメントの相談を受けられる体制づくりを労使共に進めていくことが重要だと思います。
そのためにも、アトリエエムのセミナーをぜひご活用ください

女性が働き続けられる職場環境を

120611blog
6月は、男女雇用機会均等月間。
厚生労働省では、「眠らせていませんか?あなたの職場の女性の力 ~ ポジティブ・アクションで男女が活躍 ~」をテーマに各職場での取組みをすすめようとしていますが、はたして現実は女性が働きやすい職場環境になっているのでしょうか。

2011年度に各地の労働局雇用均等室に寄せられたセクシュアルハラスメントの相談は、約12,200件。
2010年度より500件近くも増加しています。
相談全体に占める「セクシュアルハラスメント」の割合は53%で1位、次いで「結婚・妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」「母性健康管理」と続きます。

そこには、働き続けたくてもやむなく退職せざるを得ない多くの女性たちの姿が見えてきます。
一方で、女性の育児休業取得率は、「87.7%にものぼる」と報告されています。
しかし、ここでしっかりと見なければならないのが、出産を機に約6割の女性たちが退職をしているという現状です。
退職をせずに働き続けた女性の内の8割の人が育児休業を取得した、ということで、全体からみれば、約3割の女性しか育児休業を取得していない、ということなのです。

さらに、現在無職で育児中の女性で就労を希望している人は86%にものぼるのです。
女性が出産・育児をしながらごく普通に働き続けられる職場環境を創っていくこと、そして、さらには女性の管理職が増えていくことが、セクシュアルハラスメントのない職場環境にもつながっていくと思うのです。

いじめの相談が過去最多職場での相談員の研修・育成が必要

120603blog
4万6千件。
2011年度に各地の労働局に寄せられた「職場のいじめ・嫌がらせ」に関する相談件数です。
前年度比16.6%増で過去最高だったことが、5月29日に厚生労働省から発表されました。
2010年度は3万9千件、2009年度は3万6千件で、毎年10%以上ずつ増加しています。

この背景には、企業の経営環境が厳しくなっていること、「パワハラ」という言葉が浸透したこなどがあげられています。
労働局に寄せられた相談は氷山の一角であり、実際には本当に多くの人が職場でハラスメントを受けて苦しんでいます。

「同僚から言葉の暴力を受け、会社に改善を求めたが対応されずに睡眠障害で働けなくなった」と訴えたケースなどもあります。
会社で初期の段階で適切に対応をすれば、もっと早期に解決ができるでしょう。
今こそ、組織での相談体制の整備と相談員の研修・育成が必要なのです。

10月2日(火)、3日(水)の「三木啓子のハラスメント相談員育成セミナー vol.1」の詳細が決まりました。
申し込みの受け付けを始めます。ぜひご活用ください。

=====
「三木啓子のハラスメント相談員育成セミナー vol.1」
~さらに深く学ぶ二日間~

これまで5回にわたって「ハラスメント相談員セミナー」を実施してきました。「さらにもっと深く学びたい」という強い要望にお応えして、新たに「ハラスメント相談員育成セミナー」の開催を決定しました!
「育成セミナー」では講義、ロールプレイ、ケーススタディ(事例・判例)などを通して、ハラスメントの対応について相談員のスキルアップをめざします。
相談の受け方から行為者への対応、防止体制まで幅広く学べるセミナーです。

□月日:10月2日(火)、3日(水) 【二日間集中セミナー】
□時間:10:15~16:45
□対象: ハラスメント相談員、CSR担当者、人事・総務担当者、人権担当者等
□定員: 20人(先着順)
□参加費: 42,000円(資料代、税込)
□会場: 大阪産業創造館 5F研修室C (大阪市中央区本町1-4-5 (地下鉄 堺筋本町駅))

◆「相談員育成セミナー vol.1」のチラシは「121002ikuseiseminarvol.1(2).pdf」をダウンロード