子どもをサイバー犯罪から守るために

8月22日の朝日新聞で「小学生のブロガー増加」との記事が掲載されました。小学生・中学生の間でインターネットを使った情報の受発信が急増しています。そしてその陰でサイバー犯罪も4年間で2倍に増えているのが現状です。
例えば子どもが「ハサミ」を使い始める時。私たち大人はハサミの使い方を正しく教えると共に、その危険性もきちんと指導します。使い始めの頃は、子どものそばで見守ったりすることもあるでしょう。とても便利な道具でも、振り回したり、投げたりしてはとても危険だということ、人に渡すときには持ち手の方を相手に向けるなど周囲の人に対して気をつけること、もちろん、自分自身がケガをしないように気をつけることなどをきちんと指導します。
では、IT(パソコン)の使い方はどうでしょうか。「アダルトサイトは見たらダメ」「勝手に買い物しないでね」と言った、極簡単で、あいまいな言葉だけで使わせてしまっていないでしょうか。何が危険なサイトで、どうしたら回避できるのか、また自分のどのような言動が周囲の人を傷つけてしまうのか、といった具体的な事柄をきちんと子どもに指導することが大切です。もちろん、そのためには私たち大人が正しい知識を身につけることが必要です。
アトリエエムの9月16日のITセミナーのテーマは「子どもをサイバー犯罪から守るために」。マナーとルール、セキュリティ、そして、メディア・リテラシーについて学びます。ぜひご参加ください。また9月9日のITセミナー「インターネットの原理」では、「ウィニー」「フィッシング」などに対するセキュリティ対策がテーマです。こちらもお勧めのセミナーです。「ITセミナー」のページへ>>

モラル・ハラスメント

毎月発行の雑誌『論座』9月号(8月5日発売)に「モラル・ハラスメント」に関する記事が掲載されています。3月5日のブログでもご紹介した、フランスの精神科医・マリ=フランス・イルゴイエンヌさんの講演会の要旨です。彼女はモラル・ハラスメントの指標となる「敵意ある言動」を四つのカテゴリーに分類しています。
1)コミュニケーションを拒否して相手を孤立させ、「一人の人間を透明人間であるかのように感じさせるような言動」
2)仕事に必要な情報を与えない、コンピュータを使えなくするといった「仕事に関して相手を傷つける言動」
3)噂や中傷を流すといった「相手の尊厳を傷つける言動」
4)「言葉による暴力、肉体的な暴力、性的な暴力」
これらの行為が、「職場」という組織内で権力を持つ者(上司)から持たない者(部下)に対して起こった時、まさにそれが「パワー・ハラスメント」といわれるものにもなります。
現在、これらの言動に対する訴訟や労災申請が数多く行われていますが、必ずしも被害者の人権の視点立った判断が下されているとはいえないのが、悲しい現実です。
その事に関して同雑誌で弁護士の川人博さんは次のように述べています。
「日本では経営者だけでなく、厚生労働省や裁判所も、このハラスメントに対する理解がまだまだ不十分であると思う。その結果、多くの人が職場のハラスメントによって傷つき、健康を害し、死に至るケースも少なくない。イルゴイエンヌ氏の講演を学んで、ぜひ日本でも欧州やカナダのように、このハラスメントに対する立法的な規制を実現するような取り組みを強めていきたいと考えている。」
私も全く同感です。最終的には、ハラスメントに対する法制化が必要であると思いますし、同時に、まずは、ハラスメントを起こさないための「予防セミナー」に今後も取り組んでいきたいと思っています。

「従業員に暴言 社長にパワハラ認定」

「消費者金融会社「レタスカード」(京都市中京区)の従業員だった兵庫県西宮市の男性(45)が、社長にたばこの火を押しつけられるなどし、うつ病になったとして、同社に約6200万円の損害賠償を求めた民事訴訟の判決が8日、京都地裁であった。田中義則裁判官は「社長の言動は不法行為にあたる」として、訴えの一部を認め、同社に670万円の支払いを命じた。」という記事が、9日の京都新聞と毎日新聞で報じられました。
見出しには「従業員に暴言、たばこ押しつけ 京都地裁 社長のパワハラ認定」「社長パワハラ賠償命令 罵詈雑言、うつ病慢性化」との文章。社長から頻繁に暴言を受け、タバコの火まで押し付けられるという、なんともひどい人権侵害が起こっていたようです。
原告の弁護士は「(職場での上下関係を背景に上司が部下に嫌がらせする)パワーハラスメントを認めた例はまれで、その意味では評価できる」としている」とコメントしているものの、会社側は、そのようなハラスメント行為を否定、控訴するとのこと。今後の行方をしっかりとみていきたいと思います。