「北米トヨタ、元社長アシスタントがセクハラで1.9億ドルの訴訟
北米トヨタ自動車の女性社員が、上司の大高英昭社長からセクハラ行為を受けたとして、トヨタ本社と北米トヨタ、同社長を相手取り総額1億9000万ドルの損害賠償を求める訴訟をニューヨーク州地方裁判所に起こした。それによると、訴えた女性は42才の日本人社員。ニューヨークで同社長のアシスタントをしていた2005年に繰り返し社長からセクハラを受けたとしている。 トヨタは声明で「トヨタ自動車は、社内のすべてのレベルにおいてセクハラ行為を『一切容認しない』方針。この種の申し立ては真剣に受け止める」との見解を示したものの、より詳細なコメントは控えた。 訴えによると、同女性は1997年に北米トヨタに入社、2005年3月に大高社長のアシスタントとなった。 (asahi.com 05月03日18時25分)」
この記事を見て本当に驚きました。賠償金額の多さにではなく、まだセクシュアル・ハラスメントが、こんな「大企業」といわれている会社で、しかも、一番トップ(権力を持っている人)が加害行為を行っていたかもしれない、ということにです。
その後、ここ数日間webでのこの訴訟に対する記事などを読んでいて、さらに驚きと怒りを感じました。彼女はこの問題に対して、会社の幹部に改善を求めたにもかかわらず、会社は適切な対応を行ってはいませんでした。この二重三重の苦しみに対して、彼女が訴訟に踏み切ったというのは、共感できるものがあります。今後、司法の場で事実が明らかになるでしょうから、しっかりと見ていきたいと思います。
セクシュアル・ハラスメントは、「性的嫌がらせ」と訳されているので、単なる「嫌がらせ」(これでも決して許せるものではありませんが)だと、とらえられがちです。しかし、実際には精神的・肉体的虐待で、人権侵害だといえるもので、決して許せるものではありません。
今回は、トヨタという知名度のある会社で、しかも巨額の金額ということで、メディアでもとりあげられていました。というものの、日本のメディアでの報道の小ささにも、驚いたのも事実です。
メディアでとりあげられることもなく、セクシュアル・ハラスメントをしている上司や会社に対して、声をあげることもできず、苦しんでいる数多くの女性たちがいると思うと、本当に胸が痛むと同時に、責任も感じます。少しでも女性たちが嫌な思いをせずに働ける環境が整うように、今後よりいっそう「セクシュアル・ハラスメント予防セミナー」に力を入れていきたいと思っています。