深刻な「コロナハラスメント」
~雑談は心のオアシス~

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が拡大しています。
そのような中、企業、教育機関、医療機関などさまざまな所で「コロナハラスメント」ともいえる人権侵害が数多く起きています。
たとえば
◆少しの咳やくしゃみに過剰に反応して、謝罪や席替えを要求されたり仲間外れにされる 
◆感染者の多い地域から通勤していると誹謗や中傷を受ける 
◆家族に医療従事者などがいると欠勤や休学を強要される 
◆感染から回復した従業員や、家族に感染者のいる従業員が解雇される
◆体調不良を訴えても休ませてもらえない 
◆感染症対策をしてもらえない、などです
病院の医師や看護師の離職も増加していますが、退職理由にはコロナハラスメントが大きく関係しています。

また解雇や雇い止め、メンタルヘルス不調を抱える人や自殺者も増加しており、看過できない状況になっています。

「コロナハラスメント」の被害者にも加害者にもならないためには、組織はどのような対策が必要でしょうか。

まずは、感染症の正しい知識の周知、そして基本的な感染対策の徹底です。
三密を避けたりソーシャルディスタンスを保つために、職場での動線、勤務時間、作業人数の工夫ということも考えましょう。
さらにテレワーク、オフピーク通勤(時差通勤)なども効果的です。
ただし、テレワークができない職種もたくさんあるので、業務内容に対する理解も必要です。
休憩室や更衣室にも換気などの細やかな対策が不可欠です。

さらに、みんながハラスメントの正しい知識(仲間はずれはパワハラの人間関係からの切り離し、誹謗・中傷は精神的な攻撃に該当)を持ち、相談窓口を日頃から知っておきましょう。

とても重要なのが「働き方の見直し」です。
① 体調不良を感じたら早く安心して休める体制(家族の体調不良にも対応) 
② 人員配置の見直し 
③ 仕事量などの見直し
をこの機会に行いましょう。これらはアフターコロナの働き方にもつながっていきます。

そして何より大切なこと-それはコミュニケーション、情報交換の方法の見直しではないでしょうか。
報告や相談が気軽にできる体制がとても重要です。
「雑談は心のオアシス」ともいわれています。
会話をしにくい状況ではありますが、マスク越しでの短い時間でも、オンライン上の会話でもいいですから「『雑談』を楽しむ心のゆとり」があるといいですね。

そして誰も「ハラスメントの被害者にも加害者にもならない組織・社会」をみんなで築いていきたいものです。